●「子育てネットみちくさ」をたちあげるまで
「私自身が一人っ子だったから、小さい頃から他の子どもたちと仲良くしたいという思いが強いの」。その思いのまま、保育士となり結婚、出産後も働き16年間公立保育所で保育士として働いていました。しかし、18年前に4人目の子どもを出産。その当時は保育事情も今よりもっと厳しく、0歳児を預けることも難しく、他の子どもたちもまだまだ手のかかる時期だったので仕事をやめざるをえなかったのです。泣く泣くやめた仕事ですが、すでにそのときに「いつか私が保育所をつくって困っているお母さんたちを助けてあげるんだ!」と心に誓っていたそうです。
仕事を退職し、子どもと公園で遊んでいた時に、同じ公園の中で遊んでいる親子が何組かいるにもかかわらず、別々に遊んでいる姿に気が付きました。「せっかくなのだからいっしょに遊びませんか?」そう声かけしたことが、現在も続いている「子育てサークルひまわり」の始まりだったそう。当初は、週に1度公園に集まって遊んでいましたが、気の合う5人の仲間がみつかり「人形劇みちくさ」をはじめました。子どもたちに、伝えていきたい事を、楽しくわかりやすく印象に残るようにする、そんな人形劇はミュージカル風に自分たちでストーリーを作り、着ぐるみをかぶって熱演します。「人形劇みちくさ」は、今ではあちらこちらのサークルや保育施設に出かけていって上演しています。
「子育てサークルひまわり」「人形劇みちくさ」ふたつの活動を15年間続けながら、地域に根ざして、さまざまな子育て支援活動、ボランティアもしてきました。その間に、培った経験をできるだけ多くの人に伝えたい、できるだけたくさんの困っているお母さんを助けてあげたい、そのような思いから2005年に「NPO法人子育てネットみちくさ」として立ち上げる決心をしたのです。

●人と人とのつながり
「わたしは本当に良い人間関係に恵まれているのよ。ここまでくるのにも、いつも助けてくれる人がいたからこそやってこられたのよ」としみじみとおっしゃる永栄さん。本当に感謝しているのだなと表情から感じられます。「主人にもとても本当に感謝しているの」どんなときも、永栄さんの気持ちを理解しようとし、家事分担もきちんとしてくれるご自慢のご主人だそうです。4人の子どもさんも、調理師、保育士、ヘルパーなどの資格をとっていて今では仕事を助けてくれる頼もしい存在です。永栄さんのまわりに素敵な人が集まってくるのは、笑顔に魅力があるからなのでしょう。「小さな子どもたちの笑顔をみているだけで自然とこちらまで笑顔になる、それが元気の秘訣よ」とイタズラっぽい笑顔でこちらを見ます。悩んでいたり、イライラしていたりすると子どもには敏感に伝わってしまう。だからできるだけ、嫌なことはすぐに忘れるように心がけ、いつも笑っていられるようにしているそうです。
大好きだった保育士の仕事を辞めなければならなかったとき、わが子が引きこもってしまったとき、これまで泣くようなことがなかったわけではありません。それでもいつもそこであきらめてしまうことはなく、ポジティブに自分の環境を整えていくバイタリティはやはり良い人間関係もさることながら永栄さんの素晴らしい力なのだと感じます。

●子育て中のお母さんたちへ
「困っているお母さんを助けてあげたいの!」インタビューの間に何度も、永栄さんが熱く語られていました。「保育ルームみちくさ」では、一時保育、0歳児保育、放課後や長期休暇中の子どもたちの保育などと、まさに困っているお母さんのツボを押さえてくれるさまざまな保育を実施しています。「小さな子どもを育てていくということは、本当にしんどいこともあります。でも、そんなふうに感じるのは、長い人生のなかのほんの一時期です。こんなにも親を求めてくれる子どもがいるときには、とにかくぎゅっと抱っこをしてあげて欲しい。そして、辛い思いは抱えこまずにどんどんと助けを求めて出てきて欲しいのです。ほんの少しリフレッシュするだけでも、ほんの少し話をするだけでもずいぶんと気持ちが楽になるものです」と永栄さんは話します。
5人ではじめたサークルから、NPO法人にまでなった永栄さんの活動。事業として拡大しているように見えますが、その根底にはいつも「お母さんの笑顔がみたい、子どもの笑顔がみたい」という純粋な思いがあるからこそ多くの方の共感、協力を得られているのでしょう。最後に「アイドルのコンサートが楽しみのひとつなのよ」と親しみやすい笑顔で話してくださる永栄さんには、またお会いしたいなとつい思ってしまう魅力がいっぱいの人でした。
プロフィール
NPO法人 子育てネットみちくさ
代表理事 永栄康子(ながえやすこ)
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